無題

 現実を前に沈んで行く気持ちは偽らざる本心だけれど、
憐憫に浸る自分を別の自分は吐き気を覚えながら見ている。
何も得られる物などないのにと。
 またかという思いばかりが浮かび続け、溢れないようにと思考を閉ざす。
慰みに可能性を考えても目を逸らしているだけと、ほかならぬ自身が知っている。
ただ空回りするばかり。
ただ擦り減るばかり。
壊したい/壊したくない。
それでも、真っ直ぐでありたい。