扉の外 / 土橋真二郎 ISBN:9784840237178

 第13回電撃小説大賞、金賞。気持ち悪くなる作品でした、良い意味で。
突然、閉鎖空間に放り込まれ・・・その中で、一人ルールを外れた主人公を取り巻くクラスメイトたちの反応は、
過剰になっているとはいえ現実の縮図のように思えます。
そして、それを眺める主人公も、色々言っていても結局は流されているだけ、枠の中でもがいているだけという・・。
自分にも当てはまるんじゃ? と思い始めると、主人公が感じるのと同種の不快感がこみ上げてきますね。
そのまま気持ち悪くなったままにならないのは、そこまで外れてないという実感と、
結局はそういうものだろうという諦観みたいなものがあるからかな?
 なぜこんな状況になったとかの説明はないですが、なくても成立するタイプの作品ですね。
ラストシーンの後とかどうするんだろうと思わないでもないですが、それは野暮なツッコミってもんでしょう(^^;;;